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Channel: みなと八戸日記
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彼岸じゃらくの八戸(その1)

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彼岸じゃらくとは八戸とその周辺で使う言葉で、春彼岸頃に降る重く湿った雪のことをいう。

毎年狙ったように春彼岸のあたりに降る彼岸じゃらく。
今年は彼岸の前と後と2回降った。
かねがね彼岸じゃらくの降りしきる八戸の景色を撮りたいと思っていたのだが、一回目の時は平日だったので除雪や通勤時の渋滞等に追われ、撮ることができなかった。
2回目は金曜の夜から土曜日にかけて降った。
待ちに待った彼岸じゃらくの撮影チャンスだ。

この日は古いカメラにモノクロフィルムを詰めた。
フィルムはTri−X。
どうしてもこの組み合わせで彼岸じゃらくを撮りたかったのだ。

新井田川沿いから湊橋、小中野、柳橋と雪の中を2時間ほど歩いた。
服も濡れるし顔も濡れるしカメラも濡れる。
途中でタオルを買ったが拭いても拭いても追いつかない。
レンズやファインダーに水滴がついてピント合わせも満足にできないので途中から目測での撮影に切り替えて撮り歩いた。

さて、この日使ったフィルムはTri−X36枚撮り1本とネオパンSS24枚撮り1本。
時間の割にはそれほど撮れなかったのはやはり悪天候のせいだろう。
自動のカメラと違い古すぎるカメラはこういう天候での操作は一苦労だった。

撮り終わったフィルムを現像し、スキャンした。
現像自体はまあまあの出来だったが、干しているときにずいぶんとゴミが付いてしまったようだ。
モノクロフィルムではデジタルICEが使えない。
一枚一枚、ソフトで写り込んだゴミを消す作業がしばらくの間続いた。
アラが出るのであまり大きくはできないが、彼岸じゃらくに霞んだ八戸の景色は印象深いものとなった。


彼岸じゃらくに霞むセメント工場。


八戸線。
陸奥湊駅付近にて。



湊橋。
彼岸じゃらくの湊橋といえば和井田登氏の写真にもあるが、私にとってもとても懐かしいシチュエーションだ。


いつも同じ所に積まれている魚箱も雪に覆われていた。


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